「名刺を自作したいけど、どうやったらいいのかな?」「仕事でも使える名刺ができるのかな?」そんな疑問をお持ちの方のためのページです。
名刺は初対面の方に「私はこういう者です」と渡す物なので、せっかく作るなら、いかにも自作しましたという物ではなく、見栄えの良い物にしたいのではないでしょうか。
というわけで、名刺を自作する手順と共に、品質に配慮した安っぽく(チープ)ならない作り方を紹介していきます。
名刺を自作するために必要な物
はじめに名刺を自作するために必要な物を確認しておきます。
自作に必要な物:パソコン
パソコンはWindows・Macどちらでも構いません。Wordのソフトは必要ありません(必要ない理由は後で出てきます)。
スマホだけで作る事はできません。
自作に必要な物:プリンター ※重要
名刺の品質を下げないためには、ある程度キレイに印刷できるプリンターが必要です。インクジェットプリンターよりもレーザープリンターをオススメします。
インクジェットをオススメしない理由は次の3つです。
- 明瞭な印刷が難しい(印刷が沈んで見える)
- 耐水性が低い(濡れると滲む、湿気が多いと徐々にぼやけてくる)
- 耐久性が低い(色褪せしやすい)
最近ではそういった部分を改善したビジネス向けの製品も増えていますが、一括りに問題ないとは言えません。インクジェットの方は、印刷状態を見て判断しましょう。
テスト印刷で品質チェック
印刷の品質を評価するために簡易なテスト印刷のPDFファイルを用意しました。インクジェットの方だけでなく、レーザーの方も印刷の得意不得意が分かりますので、一度、印刷してみましょう。
注意ポイント
- PDFファイルが開けない場合はAdobe Acrobat Reader DCをダウンロードしてインストールします。
- 印刷前にプリンターのクリーニング等のメンテナンスを行ってください。
- 印刷時は縮小されないように「実際のサイズ」や「倍率100%」に。
- 印刷は普通紙でOK。印刷設定の品質は標準より上の品質にします。
印刷が終わったら、細い線や小さな文字も明瞭に印刷できているか、色の塗りがキレイに印刷できているか確認してください。今までにもらった名刺があれば、極端に見劣りしていないか見比べてみましょう。
印刷の品質が良くないと感じたら
印刷の品質が良くないと感じたら名刺の自作はスッパリあきらめて、ネットから注文できる名刺印刷サービスを利用する事をオススメします。
名刺を自作するメリットとデメリット
名刺の自作するにあたって、メリットとデメリットを理解しておきましょう。
メリット
安くて必要な時に1枚からスグ作れる!
おおよその費用は名刺100枚分で800円ぐらいです。
ネットの名刺印刷でも同じぐらいで作れますが、大体100枚単位です。「10枚だけ」や「数人に30枚ずつ」といった場合に安くなります。
注文から到着まで待つ事もなく、必要な時に必要な分だけ作れます。
デメリット
品質面の問題。全部自分でやらないといけない。
何も考えずに作ると酷い仕上がりになることがあります(そうならない為のこのページですが)。
準備・デザイン・印刷、「全部自分」なので、最初はそれなりに時間が掛かります。それを面倒に感じる方もいると思います。「全部自分でできる」のはメリットでもありますが。
自作名刺の作り方手順①:名刺印刷専用の用紙を買う
用紙は名刺用紙(名刺印刷専用の用紙)を使います。選び方を間違うと安っぽい名刺しかできません。
次の条件を当てはまるものがオススメです。
- 厚口タイプの用紙
- クリアエッジ(クリアカット)タイプの用紙
- 両面印刷対応の用紙
- フチまで印刷できるタイプの用紙
- 写真を多く使うなら光沢紙
ただし、持っているプリンターに対応している事が大前提です。
こちらについての詳しい内容は「名刺用紙の選び方&オススメ10選【初心者でも本格的な名刺ができる】」で紹介しています。そちらを読んで準備しましょう。
名刺用紙の選び方&オススメ10選【初心者でも本格的な名刺ができる】
「名刺を自作するなら、ちゃんとした名刺を作りたい」という人のための、初心者でも実践できて、後々も応用可能な、本格的な名刺を作るための名刺用紙の選び方と、その選び方を踏まえたオススメの名刺用紙10選を紹介します。
色々読むのが面倒だという人は「【自作名刺】インクジェットにオススメの名刺用紙《エーワン/コクヨ/プラス》」から選ぶのが手っ取り早いです。
【自作名刺】インクジェットにオススメの名刺用紙《エーワン/コクヨ/プラス》
インクジェットプリンターで名刺を自作する場合、どの名刺用紙を使ったら良いかを手っ取り早く知りたい人向けに、オススメの名刺用紙を紹介します。用紙を他の種類やメーカーに変える場合についても合わせて解説します。
自作名刺の作り方手順②:名刺作成用のソフトを準備する
名刺を自作する方法でWordを使った作り方がよく紹介されていますが、各用紙メーカーで専用ソフトを無料配布しているので、そちらを使いましょう。名刺のデザインにおいては操作性も良く、印刷の時もスムーズです。
詳しくは別の記事で紹介しています。
【自作名刺】無料の名刺作成ソフトを紹介【初心者にもカンタン】
初心者にもカンタン、無料で高機能な名刺デザインソフトを紹介します。名刺を自作したいけど「どんなソフトで作るのか分からない」「ソフトにお金を掛けたくない」「初心者でも簡単に作れるソフトはないか」とお悩みが全て解消します。
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どうしてもWordでと言う方は、こちらの記事が細かく説明してくれています。
名刺作成ソフトの選び方
準備した名刺用紙のメーカーのソフトを使えば、用紙の種類選択などが簡単です。パソコンにインストールして、またはブラウザ上で利用できます。
パソコンに入っているフォントが使えるので、インストールがオススメです。保存前に間違って閉じてしまうミス(経験済み)も防げます。
インストールの方法やマニュアルは各サイトを確認しましょう。
A-one ラベル屋さん
A-one ラベル屋さん(http://www.labelyasan.com/)
※「ラベル屋さん」はVer.10よりWEB版のみとなっています。
コクヨ 合わせ名人
コクヨ:合わせ名人(https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/awase/)
エレコム らくちんプリント
エレコム らくちんプリント(http://www.elecom.co.jp/rakupuri20/)
メモ
「らくちんプリント」はスマホアプリがありますが、僕のiPhoneではすぐ落ちるし、機能も不十分なので無理でした。(2018年10月調べ)
PLUS デザイン満彩
PLUS デザイン満彩(https://www.plusprintservice.com/)
※「デザイン満彩」は2019年1月24日でサービスを終了しました。
名刺作成ソフトについてもう少し解説
どのソフトも必要な機能は大体揃っていて快適に作れます。ざっと機能を挙げると、
デザインテンプレート、文字の色・サイズ・行間・字間・行揃え変更、画像の挿入、図形の作成、位置整列、透明度変更、オブジェクトのグループ化・ロック、QRコード作成など
注意としてはメーカー同士でソフト自体の互換性がないので、保存したデータを他のメーカーのソフトでは開けません。
ただし、用紙に配置される名刺の位置が同じならソフトと用紙のメーカーが違っても問題なく印刷できます。
最悪作り直すとしても、操作性やできることはほとんど変わらないので大した時間は掛かりません。
自作名刺の作り方手順③:名刺をデザインする
どの名刺作成ソフトでも流れは同じです。
- 何を作るか?で「名刺」を選ぶ
- どの用紙を使うか?で「用意した用紙の品番」を選ぶ
- デザインを作成する
- レイアウトでデザインしたものを配置(複製等)する
- 印刷する
デザインも仕上がりに大きく影響するので、そちらも大まかに紹介します。
名刺のデザインをいい感じに仕上げるコツ
真似をしやすい、いい感じに仕上げるポイントを紹介します。
何を記載するかをまとめておく
パソコンでデザインする前に、何を記載するかをメモで良いのでまとめましょう。情報過多だとゴチャゴチャするので必要最小限で。両面を使って、表裏で分けるのも一つの方法です。
四方の余白を決める
上下左右7ミリ小さい四角を作ってそれを基準にします。(7ミリ空けておくとクリアカットの裏面のシール部分にも掛かりません)
そして、作った四角の角に配置します。全部の角は埋めずに、
- 左右の上下「左上・左下」「右上・右下」
- 対角「左上・右下」「右上・左下」
- どこか1つの角を空ける
という感じにすると、適度に余白も取れつつ整います。
変化をつけ過ぎない
最初は次のような感じでデザインしてみましょう。
- 文字の行揃え(左揃えが無難)を統一する。
- 色は何色も使わずに「ロゴ以外は黒」にする。
- 文字のサイズは2種類(基本7pt、氏名16ptなど)にする。
- フォントは一種類にする。
その上で、変化が欲しい場合にワンポイント的に変化をつけます。色を使い過ぎたり、フォントや文字のサイズが何種類もあると統一感がなくなってしまいます。
両面を使ってみる
僕の個人の意見として「名刺は表裏合わせて一つのアイテム」なので、片面だけで収まる内容でも表裏で切り分ける事で印象的に仕上がります。
例えば、表面:「役職・氏名・読み仮名」/裏面:「会社の情報」や、表面:「基本的な情報」/裏面は「ロゴとURLだけ」というような感じです。
テンプレートを利用のもアリ
どうしても難しい、うまく出来ないという方は、潔くテンプレートを使いましょう。テンプレートは名刺作成ソフトに元々入ってますので、そちらから選んで、文字を変更すれば完成します。
シンプルなテンプレートならデザインも無難ですし、それを元にちょっと修正を加えるのもやりやすいと思います。
仕上がったら印刷して確認する
画面と印刷では違って見えるので、必ず印刷して確認しましょう。確認用の印刷は普通紙で構いません。
後、他の人に見てもらうのもオススメです。自分では気付かなかった事も指摘してくれる場合もあります。自分はイケてると思っても「ダサい」と言われる事もありますが、素直に意見を聞くことも大事なんです。
自作名刺の作り方手順④:名刺を印刷する
印刷は各ソフトから行いますが、すぐに名刺専用用紙に印刷してはいけません。まず、次の事を確認しましょう。
こちらについても別の記事で詳しくまとめています。
自作名刺の正しい印刷方法「ミスも減って完成度が上がる3ステップ」
自作名刺を印刷する手順として「ミスを最小限にして、完成度が上がる」具体的な方法を紹介します。印刷の失敗で名刺用紙をムダにしてしまっては余計な費用が掛かってしまいます。また、印刷のやり方次第で出来映えも随分と変わります。
続きを見る
プリンターが正常に印刷できるか確認する
インクジェットプリンターの場合は「ノズルチェック」をしてキレイに印刷できる状態かを確認します。ノズルチェックで正常に印刷されない場合はプリンターの表示に従ってクリーニングを行ってください。
レーザープリンターの場合は、プリンターの「色ずれ調整」や「濃度調整」など実行してください。
印刷位置が合っているか確認する
名刺専用用紙に印刷位置確認用の用紙が付いていますので、そちらに印刷をしてみてます。印刷位置がズレている場合はソフトの方で位置調整を行います。
毎回ズレる場合は用紙との相性が悪いかもしれません。その場合は一番ズレの少ない位置に調整しましょう。用紙がきっちりセットされているかも確認してください。
名刺を印刷する
全ての準備が揃ったら、いよいよ本番の印刷です。
用紙のパッケージ等に記載されている推奨の設定(用紙・印刷品質)で印刷を行います。記載がないメーカーの場合は、できるだけ高品質の設定で印刷しましょう。
インクジェットで滲みが出るなら、用紙設定を普通紙にするか印刷品質を下げることで改善する場合もあります。機種ごとの違いもあるため試してみないと分かりません。
ポイント
リサイクルのインクは使っている場合は「印字の鮮明さがない」「湿気で滲みやすい」「時間経過で色が薄くなりやすい」など品質が落ちますので、純正インクをオススメします。
印刷が完了したら、用紙のパッケージに記載されている方法で取り外し・切り離して、自作名刺の完成です!
自作名刺の作り方まとめ
最後に「自作でも安っぽく見えない名刺」を自作するためのポイントをおさらいしておきます。
名刺を自作するために必要な物
必要な物は「プリンター」「パソコン」です。ただし、プリンターはテストプリントをしてみて、ある程度キレイに印刷できるかを確認する必要があります。
名刺を自作するメリットとデメリット
メリットは「安くて必要な時に1枚からスグ作れる」こと。デメリットは「品質面の問題」「全部自分でやらないといけない」ことです。
テキトーに作ると安かろう悪かろうになるので注意しましょう。
自作名刺の作り方手順
名刺を自作する手順は、
- 名刺印刷専用の用紙を買う
「名刺用紙の選び方&オススメ10選【初心者でも本格的な名刺ができる】」のページに従って準備しましょう。 - 名刺作成用のソフトを準備する
Wordではなく用紙メーカーで無料配布している専用ソフト(用紙と同じメーカーのソフト)を利用しましょう。 - 名刺をデザインする
いい感じに仕上げるポイントは次の通り。- 何を記載するかをまとめておく
- 四方の余白を決める
- 変化をつけ過ぎない
- 両面を使ってみる
難しい場合はテンプレートを利用するのもアリです。
仕上がったデザインは実際に印刷して確認しましょう。他の人に見せて意見をもらうのも良い方法です。 - 名刺を印刷する
名刺のデザインができてもすぐには印刷せずに次の事を確認しましょう。- プリンターが正常に印刷できるか
- 印刷位置が合っているか
印刷の際は用紙のパッケージ等に記載されている推奨の設定に従います。
名刺を取り外し・切り離して完成です。
どうしても仕上がりが良くない時は
プリンターの性能やデザインの問題で、納得できる仕上がりにならない場合は、スッパリあきらめて他の方法で作るのも悪い選択ではないかと思います。
「せっかく作ったから」とイマイチな名刺を使い続けるのはオススメしません。
これから自作する方も、これまで自作していた方も、このページで紹介したポイントや作り方の手順を参考に、お気に入りの名刺を自作してみてください。