名刺を作ろうと考えているが、どんな方法で作るのが自分に合っているのだろう。大体どれくらいの費用が掛かるのか知りたい。そんな疑問や問題を解消します。
今回は名刺を自作&半自作する場合についてです。
僕は印刷物やデザインの仕事に10年以上携わっていますので、そんな実務経験や知識を元に、色々な名刺の作り方の費用や特長を比較しつつ、予備知識なども解説していきます。
業者への依頼も考えている場合はこちらも合わせて読んでみてください。
名刺の作り方「業者に依頼する場合」の費用や特長を比較解説
名刺をデザイン会社や印刷会社などの業者に依頼して作る場合、どういった所に頼むのが良いかをそれぞれの費用や特長を比較しながら紹介します。また、依頼する時の注意点や予備知識なども合わせて解説します。
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名刺を「自分で作る」メリットとデメリット
まず、名刺を自分で作るメリットとデメリットについて理解しておきましょう。あまりメリットを感じないのなら、業者に依頼するという選択肢もあります。
名刺を自分で作るメリットは次の3つです。
- デザイン費用が掛からないので安く作れる
- 自分好みの名刺が作れる
- 物作りの楽しさが味わえる
デザイナーに頼めば良いものができますが、最低でも5千円程度は必要で、何度も修正を頼めばさらに費用は増えていきます。
自分でデザインすれば0円で済み、試行錯誤しながら自分好みのデザインにもできます。また、パソコンでデザインしたものから実際の名刺ができるという物作りの楽しさがあります。
デメリットは次の2つ。
- 時間や手間が掛かる
- クオリティに限界がある
デザインなどの作業時間もですが、名刺を自作するにあたっての知識やデザインソフトの使い方など、こういった関係のリテラシー(応用・活用力)が高くない人だと手間取ってしまい、結構な時間が掛かる場合があります。
また、ほとんどの人がプロのようなデザインができるわけではないのでクオリティに限界があり、印刷も自分でするならプリンターの性能によるクオリティの限界があります。
自分で名刺を作るのに適している場合は?
単に「自分で名刺を作ってみたい」という人を除けば、費用を掛けずに名刺を作りたいというのが前提になってきます。費用が掛けられるのなら、業者に依頼する方をオススメします。
後は、高度な知識・技術までは不要ですが、ある程度はパソコンの扱いに慣れている必要はあります。
どうやってに名刺を作るかで違いがあります
どんな方法でに名刺を作るかで費用や仕上がりの品質に違いがあります。
次の3つが主な作り方です。
- ビジネスコンビニを利用する
- ネット印刷サービスを利用する
- デザインから印刷まで全て自分する
次からそれぞれについて解説します。
ビジネスコンビニで名刺を作る
ビジネスコンビニ(オフィスコンビニ)は印刷や製本などのサービスを行っている店舗で、キンコーズ(kinko's)が有名です。
データを持ち込んでの印刷やテンプレートを使った簡易デザインの名刺が作成できます。
気軽に立ち寄って注文でき、翌日など短期間で仕上がるのが魅力なので、逆に急いでない・こだわって作りたいという人には向いていないとも言えます。
キンコーズ(https://www.kinkos.co.jp/)
ビジネスコンビニで作った場合の料金
キンコーズで言うと印刷料金(100枚)は、データ持ち込みだと片面モノクロで2000円、片面カラーで4600円、デザインも作成する場合は400円~2200円がプラスされます。
両面印刷(倍額)やデザインのオプションを追加していくと結構割高になります。
ネット印刷サービスで名刺を作る
ネット印刷サービスはWEBサイトから注文できる印刷サービスで、名刺以外にも様々な印刷を頼むことができます。データ入稿が基本ですが、名刺ならサイト上でデザインを作成して、そのまま印刷を注文できるところがあります。
デザインの作成は、無料で使えるテンプレートが用意されているので、内容を打ち変えるだけでもOK。配置変更したり、ロゴや素材を追加したりといったカスタマイズもでき、オリジナリティのある名刺も作れます。
オススメなのは「ビスタプリント」「ラクスル」「パプリ by ASKUL」「whoo(フー)」です。
ビスタプリント
ビスタプリントはデザインテンプレート数が約5000種類ととにかく豊富で、文字の打ち変えだけで作りたい人に便利。文字・画像(アップロード可)の配置変更・追加などのカスタマイズも柔軟に対応しています。
PDFファイルをアップロードして配置できますので、名刺デザインソフトやキャンバなどで作ったデザインも簡単に注文できます。
ビスタプリント(https://www.vistaprint.jp/business-cards)
ビスタプリントの印刷料金
印刷料金は、片面カラー100枚で980円、両面にする場合はモノクロで390円、カラーで780円の追加となります。
オプションには、ニス盛り(DECO)、用紙変更(全3種)、光沢加工(両面光沢仕上げ)があり、500円~1000円程度の追加料金となっています。
納期は4〜5営業日(土日祝除く)後の出荷となっています。4500円未満の注文は送料が500円必要です。
価格は全て税別です。
ラクスル
ラクスルは商売をしている人をメインに、印刷から配布までのサービスを提供しているネット印刷サービス。納期を長く設定することで格安料金で印刷が注文できます。
名刺のデザインテンプレート数は約90種類と少ないですが、利用できる写真やイラストの素材は2000万点(ピクスタの画像素材)と豊富で、デザイナーもよく使う日本語フォントのモリサワフォントも利用できます(全て無料)。
ネット印刷通販ラクスル(https://raksul.com/)
ラクスルの印刷料金
出荷日数 | 100枚 | 200枚 | 300枚 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
片面 | 両面 | 片面 | 両面 | 片面 | 両面 | |
5営業日 | ¥600 | ¥600 | ¥1200 | ¥1200 | ¥1560 | ¥1560 |
3営業日 | ¥800 | ¥800 | ¥1400 | ¥1400 | ¥1770 | ¥1770 |
2営業日 | ¥1000 | ¥1200 | ¥1550 | ¥1750 | ¥2030 | ¥2190 |
※料金はマット紙 220kg、片面も両面もカラー印刷の場合 ※2019年6月時点の調査結果
ラクスルの印刷料金は、仕上がりまでの期間によって異なります。両面カラーでも片面カラーでも少ない枚数だと料金はほとんど変わりません。
用紙は定番から高級紙や和風紙などから選べます(厚みも選択可)。加工には角丸加工(100枚で+800円程度)と表面PP加工(100枚で+1500円程度)があります。こだわりの名刺も手頃な費用で作成できます。
送料は別途で、メール便190円、宅配便470円が掛かります。
価格は全て税別です。
パプリ by ASKUL
パプリは事務用品でお馴染みのアスクルの印刷・ノベルティ製作サービスです。短納期(最短翌日)、少部数でも手頃な料金で注文できます。
名刺のデザインテンプレートは400種類と豊富で文字の打ち変えだけでも、それなりの名刺が作れます。カスタマイズは文字の追加・配置をはじめ、ロゴや写真などの画像の挿入、日本語フォント(モリサワフォント等)が揃っているなど、比較的充実しています。
パプリ by ASKUL 名刺作成(https://spc.askul.co.jp/)
パプリの印刷料金
タイプ | 100枚 | 200枚 | 300枚 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
片面 | 両面 | 片面 | 両面 | 片面 | 両面 | |
スタンダード名刺 | ¥950 | ¥993 | ¥1360 | ¥1468 | ¥2850 | ¥2979 |
ハイスタンダード名刺 | ¥1360 | ¥1468 | ¥2720 | ¥2936 | ¥4080 | ¥4404 |
プレミアム名刺/ホワイト・クリーム | ¥1841 | ¥3304 | ¥3672 | ¥7300 | ¥5508 | ¥10951 |
プレミアム名刺/ヴァンヌーボ | ¥2720 | ¥4450 | ¥4850 | ¥8250 | ¥6970 | ¥12060 |
※料金は片面も両面もカラー印刷の場合 ※2019年6月時点の調査結果
パプリの印刷料金は主に3パターンに分かれていて、選べる用紙や印刷方法が異なります。
最安950円のスタンダード名刺でも名刺の用紙としてポピュラーなものが選べますし、ハイスタンダード名刺の用紙も1350円なら結構お得感があります。プレミアム名刺はオフセット印刷(他はデジタル印刷)になっています。
加工についてはデータ入稿の場合にのみ対応しています。
納期は15時までの受付で翌日出荷(日曜・祝日除く)、データ入稿や加工などは日数が追加になります。
注文の合計が1000円未満の場合は、配送料が別途324円が掛かります。
価格は全て税込です。
whoo(フー)
whooは「普通の名刺じゃつまらない」という人に最適な「オシャレで遊び心のある名刺」が作れるサービスです。
名刺印刷というよりも、オシャレなデザインの名刺をカスタムオーダーできるといった感じになっていて、デザインテンプレートは外国人デザイナーによるハイセンスなものが揃っています。
whooには6種類の作り方と3種類のサイズがあります。
白とカラフルな用紙を3層に挟んだ「カラー」、名刺1枚ごとに違うの写真(最大50種類)を載せられる「ピクス」、正方形の「キューブ」、細長の「ミニ」など、それら「スタイル」の組み合わせることで個性的な名刺を作れます。
注文をする時は、好みのスタイルとデザインを選び、文字部分を編集して(デザインによって画像も)注文という流れになっています。デザイン部分の編集はできませんので、自分が載せたい内容に合わせたデザインを選ぶか、デザインに合わせた内容にするかといった感じです。
カスタムデザイン名刺【whoo】(https://whoowhoo.com/)
whoo(フー)の料金
スタイル | JAPAN(55x91mm)/CUBE( 60x60mm) | MINI(28x70mm) | ||||
50枚 | 100枚 | 200枚 | 50枚 | 100枚 | 200枚 | |
Standard | ¥4580 | ¥5080 | ¥8900 | ¥4460 | ¥4860 | ¥8300 |
Color(カラー) | ¥8080 | ¥8670 | ¥14900 | ¥7550 | ¥8040 | ¥13500 |
Haku(箔) | ¥8550 | ¥9550 | ¥17900 | - | ||
Clear(クリア) | ¥6590 | ¥7080 | ¥13700 | - | ||
Kraft(クラフト) | ¥6250 | ¥6980 | ¥10720 | ¥5980 | ¥6750 | ¥9460 |
Pics(ピクス) | ¥6080 | ¥10660 | ¥15220 | ¥5820 | ¥9940 | ¥14140 |
※2019年6月時点の調査結果
whooの料金はスタイルによって異なります。Standard(スタンダード)が一般的な名刺です。
グロス加工・マット加工・角丸裁断に対応していて、100枚で500円前後の追加料金となります。スタイルやデザインによって使用する用紙が決まっているので、用紙を指定するオプションはありません。
他と比べると高い印象がありますが、デザインの質も高く、用紙もしっかりとした厚みのさわり心地や印刷乗りの良いものを使っていて、印刷自体もキレイという事を考えれば妥当な金額と言えます。
納期は5営業日後の出荷で、選んだスタイルや加工によって日数が追加になります。
配送料は掛かりません。価格は全て税別です。
まずはサンプル請求してみましょう
どんな仕上がりになるのか、説明や写真だけでは実感しにくい面もあるので、まずは印刷サンプルを取り寄せてみるのがオススメです。
細かい事は分からなくても、実際に手にしてみると何となく違いを感じられると思います。
紹介したサービスのいずれでも、無料でサンプル請求ができます。
名刺をデザインから印刷まで全て自分で作る
プリンターとパソコンがあれば、名刺をデザインから印刷まで全て自分で作ることができます。用紙は名刺のサイズに切り離せる専用のものがあり、デザインについても高価なデザインソフトは必要ありません。
掛かる費用は、名刺用紙代とプリンターのインク代で、名刺100枚で700円前後。ネット印刷より少し安いですが、1人分だけの名刺を作るなら、ネット印刷で作る方が印刷や用紙の質も良いので、そちらをオススメします。
例えば「5人分の名刺を20枚だけ作りたい」というような、複数のパターンをごく少部数だけ作る場合なら、自分で作る方が圧倒的に安くできます。
それなりのものを作ろうとするなら、それなりの知識や準備が必要です。
名刺のデザインソフトについて
名刺のデザインを作るのに高価なソフトは必要ありません。Wordでも作れますが、余計な時間が掛かるのでオススメしません。無料で使える名刺デザインソフトがありますので、そちらを利用しましょう。
オススメはA-oneの「ラベル屋さん」というソフトです。
詳しくは「【名刺自作】無料で初心者でもすぐ作れる名刺デザインソフトを紹介」で解説していますので、参考にしてみてください。
【自作名刺】無料の名刺作成ソフトを紹介【初心者にもカンタン】
初心者にもカンタン、無料で高機能な名刺デザインソフトを紹介します。名刺を自作したいけど「どんなソフトで作るのか分からない」「ソフトにお金を掛けたくない」「初心者でも簡単に作れるソフトはないか」とお悩みが全て解消します。
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名刺用紙について
名刺用紙は100円ショップでも売られていますが、格安の用紙で作っても渡すのが恥ずかしいレベルにしか仕上がらないのでヤメた方が良いです。
どういう名刺用紙を選べば良いかやオススメの用紙については、別の記事で詳しく解説していますので、購入する際に参考にしてみてください。
名刺用紙の選び方&オススメ10選【初心者でも本格的な名刺ができる】
「名刺を自作するなら、ちゃんとした名刺を作りたい」という人のための、初心者でも実践できて、後々も応用可能な、本格的な名刺を作るための名刺用紙の選び方と、その選び方を踏まえたオススメの名刺用紙10選を紹介します。
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名刺の作り方について
そもそも名刺をどうやって作っていけば良いか分からないという人は「名刺の自作で従うべき4つの手順+チープな名刺にならない作り方」の記事で詳しく解説しています。
仕事で使えるレベルの名刺を前提にしていますので、プライベートな名刺としても人に自慢できるものができるかと思います。
名刺の自作で従うべき4つの手順+チープな名刺にならない作り方
「名刺を自作したいけど、どうやったらいいのかな?」「仕事でも使える名刺ができるのかな?」そんな疑問をお持ちの方のために、名刺を自作する手順と共に、品質に配慮した安っぽく(チープ)ならない作り方を紹介します。
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まとめ
名刺を自分で作る場合についてまとめます。
メリットは「デザイン費用が掛からないので安く作れる」「自分好みの名刺が作れる」「物作りの楽しさが味わえる」の3つで、デメリットは「時間や手間が掛かる」「クオリティに限界がある」ことです。
主な作り方は次の3つ。
- ビジネスコンビニを利用する
- ネット印刷サービスを利用する
- デザインから印刷まで全て自分する
ビジネスコンビニは気軽に立ち寄って注文でき、翌日など短期間で仕上がるのが魅力です。
ネット印刷サービスなら「ビスタプリント」「ラクスル」「パプリ」「whoo」がオススメです。
それぞれ無料で印刷サンプル請求ができるので、一度試してみましょう。
プリンターとパソコンがあれば名刺を全て自分で作ることができますが、ある程度の知識や準備は必要なので、紹介した記事を参考にしてみてください。
自分で作る事にあまりメリットを感じないのなら、業者に依頼するという選択肢もあります。それについては別の記事で紹介しています。
名刺の作り方「業者に依頼する場合」の費用や特長を比較解説
名刺をデザイン会社や印刷会社などの業者に依頼して作る場合、どういった所に頼むのが良いかをそれぞれの費用や特長を比較しながら紹介します。また、依頼する時の注意点や予備知識なども合わせて解説します。
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