「レンタルサーバーを探しているけど、難しくてどこを選んで良いか分からない。」
「できるだけ安く済ませたいけど格安のものでも大丈夫かな?」
そんなお悩みをお持ちのレンタルサーバー初心者の方に向けたページです。
僕は一応、ホームページの制作や運営に10年以上携わっていて、色んなタイプのホームページに関わってきました。次から紹介するポイントはそんな経験を元にした内容ですので、初心者の方でも実用的な基礎知識が得られ、最適なレンタルサーバーを見つけられるようになります。
レンタルサーバーの選び方8つのポイント
レンタルサーバーを選ぶ上でのポイントは次の8つです。
ポイント
- 格安のレンタルサーバーは基本的にNG
- ホームページが素早く表示できるか
- 無料SSLが提供されているか
- RAID構成が採用されているか
- 自動バックアップ機能が充実しているか
- セキュリティ対策は大丈夫か
- 転送量と容量はそこまで気にしなくて良い
- サービス期間やドメイン無料に惑わされない
各ポイントについて詳しく解説していきます。
格安のレンタルサーバーは基本的にNG
レンタルサーバーには無料から月額200・300円代の格安なものがあります。ワードプレス等のCMSやその他システムを使わないなら選んでもそこまで問題はありません。逆にそれらを使う予定なら選ぶのはやめましょう。
CMSとは、テキストデータやWebサイトなどのデザインやルールなどの情報をデータベースに一元管理・保存し、新しくWebページを作成する際に、条件にそって配信をするシステムやソフトウェアの総称。CMSを導入することでHTMLのデザインやコードを意識することなく、簡単にサイトコンテンツの変更・管理ができる。
格安のレンタルサーバーがNGの理由は次の3つ。
- サーバーの性能が良くない
- 共用するユーザーが多過ぎる
- 機能が制限されている
「低性能」「共用ユーザーが多い」と「ホームページの表示が遅い」「ページが表示されない」という事が発生しやすくなります。表示が遅いだけで見ずに閉じられてしまう確率が高まり、せっかく作ったホームページが台無しです。
機能が制限されていることで「CMSが利用できない」「やりたい事ができない」場合もあります。そして、それを解決する方法は移転するしかありません。
なので、格安のレンタルサーバーを選ぶのはやめましょう。
最低でも月額500円程度のレンタルサーバー(プラン)を目安に選ぶようにしましょう。
ホームページが素早く表示できるか
ホームページの表示速度について次のようなデータがGoogleから公表されているようです。
現状のモバイルサイトがいかに遅く、遅い表示速度がどのくらい悪い影響をユーザー体験に与えているかを調査した結果を Google が公表しました。
「完全に表示されるまでに3秒以上かかると、53%のユーザーはページを離れる」「表示速度が1秒から7秒に落ちると、直帰率は113%上昇」など興味深いデータが出ています。
引用元:表示速度が1秒→7秒で直帰率は113%↑、モバイル向けサイトのUXはとにかくスピードが命 | 海外SEO情報ブログ
これ以外にもAmazonから表示速度が遅くなるほど売上が下がるといったデータなども公表されていて、ページの表示速度の遅さはホームページ自体の価値を下げてしまいます。
ページの作り方による違いも大きいのですが、サーバーの違いで表示速度が秒単位で変わる場合もあります。なので、表示速度の速いレンタルサーバーを選ぶべきです。
表示速度の速いレンタルサーバーとは?
どのサーバー会社の公式サイトでも速そうに書いていたりしますが、表示速度については次の挙げる仕様で、ある程度比較できます。
CPU | コア数やクロック数が多いほど良い |
メモリ | 搭載量が多いほど良い |
ストレージ | SSD(ソリッドステートドライブ) |
Webサーバー | Nginx(エンジンエックス)や LiteSpeed(ライトスピード) |
通信プロトコル | HTTP/2.0(SSL) |
しかし「サーバーの通信回線の速度」や「共用ユーザーの数や質」でも変わってくるため、単純比較では分からない部分があります。なので、これについてはこちらのページでワードプレスを利用しても高速表示が期待できるレンタルサーバーを紹介しています。
初心者にもオススメのレンタルサーバー8社を比較解説【WordPress可】
初心者でも迷わない&失敗しないように厳選したレンタルサーバーをポイントを絞って比較解説します。実績重視派とコスパ重視派に分けていますので、Webサイトの用途や予算に合わせて検討してみてください。
続きを見る
無料SSLが提供されているか
SSLはざっくり言うと通信内容を暗号化する技術です。URLは「https://~」で始まります。少し前まではフォームなど個人情報を送る時のみの利用が多かったのですが、最近ではホームページ全体をSSL化するというのが標準になりつつあります。
SSL化するとURLが変わる( http:// → https:// )ので、新規でホームページを開設するなら最初から導入しておきましょう。
無料SSL(共有SSLではなく)がサーバーの標準機能というのが普通になってきていますが、有料のみのレンタルサーバーもあります。
有料の場合は最低でも年間2万円前後、通常は5万円以上が必要です。コストを抑えたい場合は無料で使える事を確認しておきましょう。
RAID構成が採用されているか
RAIDはざっくり言うと複数台のHDD(またはSSD)を組み合わせて障害に強く&読み書きを速くする技術です。
例えば1台のHDDが故障しても他が健在ならデータ消失しない(RAID0を除く)ので、データの保管の信頼性が高まります。また、HDDの一部が故障した場合に稼働を継続しながら故障HDDの交換ができる(ホットスワップ)機能もあります。
レンタルサーバーの主なRAID構成は「RAID1」「RAID10」「RAID5」で、どれもさっき挙げたようなメリットがあり、安全性・安定性の高い運用が期待できます。
詳しく知りたい方はこちらで細かく解説されています。
自動バックアップ機能が充実しているか
自動バックアップ機能はCMSなどのシステムを利用しなければ無くても問題ありません。
安定しているレンタルサーバーなら自動バックアップはいらないという方もいると思います。確かにサーバー側のトラブルでデータが消失するのはレアなケースです。
実際に起こりやすいのはホームページの担当者の操作ミスなど、利用者側の人的なトラブルで、「作業前や定期的にバックアップを取りましょう」が基本ですが、だんだんと疎かになるのはよくある話です。
なので、1日1回のバックアップのスケージュール、複数回のデータを保管、それらをいつでも自由に利用できるという状態が安心です。
セキュリティ対策は大丈夫か
サーバー上に顧客データを保管するなら、不正アクセスで情報が盗まれるリスクがあります。それ以外でもホームページを改ざんされて閲覧者にウイルスをばら撒くリスクもあるため、法人でも個人でもセキュリティ対策は必要です。
セキュリティ機能として、WAFやIDS/IPSを標準搭載したレンタルサーバーがありますので、それらを利用するればコストを掛けずにセキュリティを高められます。
(WAFについて)
WAFとはウイルスや不正アクセスなど、ネットワークを介した外部からの攻撃を防御するセキュリティの一種です。
WAFとは「Web Application Firewall(ウェブアプリケーションファイアウォール)」の略称で、頭文字をとってWAF(ワフ)と呼ばれています。WAFとはその名のとおりWebアプリケーション特化型のセキュリティソリューションです。
(IDS/IPSについて)
ホスト型とネットワーク型にわかれ、防御範囲の広さが特徴です。設置場所によって役割は多少異なりますが、不正アクセスの監視、攻撃の検知および防御を行います。異常を検知すると管理者へ通知。万一の際に迅速な対応を行うことを目的として用いられます。
引用元:WAFとは | ファイアウォールやIPS/IDSとの違いと関係性・仕組みや導入方法 - WAF | ボクシルマガジン
ワードプレスを利用する場合
ホームページをワードプレスで構築することが増えていることもあり、攻撃対象になりやすくなっています。ワードプレス専用のセキュリティ設定があるレンタルサーバーが増えているので、そういった所を利用しましょう。
主に「ログインの試行回数制限」「管理画面の国外アクセス制限」「国外からのコメント・トラックバック制限」が設定できます。
転送量と容量はそこまで気にしなくて良い
格安レンタルサーバーならどうか分かりませんが、そうでなければ、最初のうちは転送量や容量がどれぐらいあるかは気にする必要はありません。一応、転送量と容量について解説しておきます。
レンタルサーバーの転送量について
転送量はサーバーで送受信するデータ量の上限で、スマホのデータ通信量と同じような感じです。
例えば、画像等も含め3MBのページを1000回表示すると転送量は約3GBになり、月間10万PV(ページ表示回数)のホームページなら1日10GB、1ヶ月300GB(0.3TB)という感じになります。
同じページを同じパソコン・スマホから開いた場合には、最初開いたときに保存されているキャッシュが利用されたりするので、実際はもっと少なくなるかと思います。
ページの内容(画像の多さなど)によりますが、目安としては、10万PVまでなら月額500円前後、50万PVまでなら月額1000円前後のプランで対応できます。
レンタルサーバーの容量について
容量はサーバーに保管するファイルのデータ容量の上限で、パソコンのハードディスクの容量と同じような感じです。
上限は数10GB・数100GBというサーバーが多いので大体持て余します。
例えば、「スマホのデータも保管できるよ → DropBoxやGoogle Driveを使えば良い」「動画をホームページで公開したい → YouTubeやvimeoを使えば良い」となります。
「会員限定で動画を公開したい」や「大量で大きなサイズの写真をダウンロード配布したい」という場合は、転送量も含めて検討しておく必要はあります。
サービス期間やドメイン無料に惑わされない
「あのサーバーはお試し期間が長いからお得」といった事をたまに目にします。長い付き合いになるかもしれないサーバーなので、お試し期間のちょっとした違いを選ぶ基準にしてはいけません。これはドメインについても言える事です。
お試し期間は実際に試す期間として有効に利用しましょう(本来、そのためのサービスですが)。使ってみて気付く事もありますので、面倒ですが、迷ったら試してみるというのも大事です。
その他に気になる事
他に挙げるとしたらサポート体制があります。初心者の方だと技術的な事も対応してくれる電話サポートがあるところが安心です。ただし、電話サポートは運営会社からすると高コストなので、安く済ませたいという場合はこだわらない方が良いです。
後、ドメインやデータベース、メールなどに設定個数が決まっている場合があります。ただ、格安サーバーを選ばなければ、かなり特殊な使い方を除いて困る事はありません。
何か特別な機能・仕様が必要なら、紹介したポイントで絞った上でそれらを確認しておきましょう。
レンタルサーバーの選び方についてまとめ
最後に、レンタルサーバーの選び方についてまとめておきます。
レンタルサーバーを選ぶ時のポイントは、
- 格安のレンタルサーバーは基本的にNG
- ホームページが素早く表示できるか
- 無料SSLが提供されているか
- RAID構成が採用されているか
- 自動バックアップ機能が充実しているか
- セキュリティ対策は大丈夫か
- 転送量と容量はそこまで気にしなくて良い
- サービス期間やドメイン無料に惑わされない
また、初心者の方な技術的な事も対応してくれる電話サポートがあると安心。ただし、低予算ならこだわらない方が良い。
色々比較して選ぶのが面倒な方は、こちらでオススメしているレンタルサーバーから選びましょう。
それでは、ぜひこのページを参考に後悔しない・納得のできるレンタルサーバーを選んでください。
初心者にもオススメのレンタルサーバー8社を比較解説【WordPress可】
初心者でも迷わない&失敗しないように厳選したレンタルサーバーをポイントを絞って比較解説します。実績重視派とコスパ重視派に分けていますので、Webサイトの用途や予算に合わせて検討してみてください。
続きを見る